2008年2月3日日曜日

書評 アジャイルプラクティス

IT業界に関わっている人間なら、管理者(自称含む)も営業担当者も経営者も設計者(自称含む)も、とにかくみんなこれを読め! この本はスゴイ。とにかくおもしろい。読む前に「アジャイルを勉強しよう」とか「復習しよう」という気持ちを用意する必要はまったく無い。「アジャイルは散々学習したよ」とかいう人も読むべし。そんな心構えを準備する暇があるなら、とっとと買いに走って、とにかく読み始めるべし。「普段から散々アジャイルにやってるよ」というトコまで来ている人には…わからない。自分はそこまで行ってないし。でもそんな人はもぅ読んじゃってる人が多いかもしれん。
この本の構成を説明しておくと、全ての項目について以下の順序での説明が繰り返されていくという構成になっている。
タイトル
たまに直後にどこかのことわざや誰かの引用が入る。かなりツボった引用が入るので感心する。
悪魔のささやき
「え?このささやきのどこに問題が?」と一瞬感じてしまうものもある。アジャイルの知識が浅い人ならなおさらだし、アジャイルの知識がそれなりでも実践が足りない人だとそこそこの数においてそう感じる。
説明
例えを使った説明がとてもうまい。著者の経験なんかも入るとわかりやすい。あと、おそらく翻訳時に挿入された脚注にも注意。日本との文化の違いでわかりにくい例えとかをポツポツと紹介してある。
天使の助言
説明をちゃんと読めば読むまでも無い、つまり復習。小さい中でも復習をするためにこのタイミングで天使が登場するのかも。
実践したときの気分
これは、実践したことが無い人にはわからないかも。実践すればたぶんわかるようになるはず。とりあえず、わからなくても気にせず読み進めていくべし。
極端な実践をしないためのバランスをとるポイント
たぶんここがもっとも重要。ここまでの説明を読んで「これだ!」と興奮しても、ここを読んで少し落ち着ける、そういうフェーズ。
ひとつひとつは小さく細切れにされたプラクティスが、それぞれについて短く簡潔に、上記のような決まった形式でぐるぐるとイテレートされて解説されていく。そのため読んでいてものすごくリズムが良い。 つまりこの本を読むだけでアジャイルの一環を味わえるワケだ。この本自体がアジャイルのプラクティスに基づいて構成されている、といった仕掛けがある。
  • アジャイルについて知識が浅い人だと、ひとつの小さなプラクティスを読み終えた時にいくつかの疑問が出るかもしれん。だが、それはきっと後々出てくるプラクティスで解決されると思われる。疑問は疑問として書き留めておいて、まずはとにかく読み進めるべし。
  • 時々出てくる「背景灰色のボックス」の中も、一見単なるコラムに見えてしまうがちゃんと読むべし。この本にはあんまり「どうでもいいこと」は書かれていない。
  • 「誰かにアジャイルのわかりやすい説明を伝えるために」複数回読むというのはアリだと思う。
  • プログラマのためだけの本ではないと思った。業界に携わる人みんなが一丸にならないとうまくいかない、そういう事をヒシヒシ感じた。皆が積極的に参加していくためにも、ぜひ最後まで読んでほしい(読ませたい)と思う。アジャイルはあまり排他的ではないけど、数少ない排他するもの、それはやる気がない消極的な人間、という理解をした。
  • 本書でこれだけ感銘を受けた自分は、アジャイルの理解がまだまだ浅いんだと感じた。もっと精進する!
そぅそぅ、角谷信太郎・木下史彦両氏の邦訳が抜群にうまい(読みやすい)のも重要なポイントだと思った。原文を読んだわけではないので比較したワケではないが、きっと原文からにじみ出るふいんき(なぜかry)やノリがそのまま伝えられているんじゃないかと思う。 もう一回書いておく。IT業界に関わっている人間なら、管理者(自称含む)も営業担当者も経営者も設計者(自称含む)も、とにかくみんなこれを読んで! 営業の人の努力も必要だしね。だから本書を読んでほしい。読んでもまだ「まだそんな文化が云々」いうなら、もう一度読めばいいと思うし。「時」は既に着々と来てるんですよ。今のやり方でうまくいかないのはもぅ傷だらけになってわかってるんだし。 …で、このエントリをここまで読んだアナタは時間を無駄にしましたね!その時間をアジャイルプラクティスに割くべきだったと思います!
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