2008年10月12日日曜日

パソナテックカンファレンス2008の二日目に参加した

土曜日に参加してきた。中でも面白かった物の感想を。

[B-10]技術をどう活かすの?〜企画屋と技術屋のコラボレーションの軌跡〜

エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社 gooニュースデスク 兼 gooラボマーケティング担当 藤代 裕之 氏。
  • まずはgooラボ発でめちゃウケしているサービス「ブログ通信簿」の紹介と簡単な技術説明。
    • 「主張度」はブログの文体(〜である、とか主に文末?)を見て決めているとか。
    • 「気楽度」はポジ/ネガなどの傾向を「NTT研究所の辞書」にもとづいて算出しているらしぃ。この辞書は公開されていないのだろうか?APIとかあれば便利そう。
    • 「マメ度」は単純に更新頻度とか。
    • 「影響度」は、「EigenRumor」という技術を使って算出しているとか。
    • 「年齢とか」はブログで取り上げている話題がどの年代に多いのか?などなどを出して、そこから算出。あんまり詳しい事はメモし忘れた><…けど、まぁこのセッションでの本質ではないので無問題といぅ事で。
    • こんなカンジで「技術は後だし」、といぅ事で。
  • まずはおもしろいモノを作りたい!から始めた(ブログ通信簿が生まれたいきさつ)。
    • 最初は技術メンバに「何ができる?」を聞く。
    • 技術ドリブンでやる。
    • ブログ通信簿に関しては「ブログから色ーんな事が推定できる」という事がわかった。
    • 色々できるとはわかったが、企画屋としては「最もアピールできる事」を聞く。この最もアピールできる事以外を企画屋が切ってしまう事もある。もちろん、技術やとの折り合いをつける。
      • 技術やには「プロダクト指向」が多い。
      • 企画やはユーザの立場。
    • 企画屋はユーザと技術を繋ぐ「コミュニケータ」である。
  • 戦略として、ユーザがとっつきやすいシンプルな機能として提供した後で、「実はコレにはこんなスゴイ技術が…」という展開にもっていく。これが技術の後だし。
  • 今回のブログ通信簿について、ブログを書いている年齢層は20代から40代が圧倒的に多い。ユーザはその層となるので、その層に訴える事ができる「通信簿のデザイン」に徹底的にこだわった。
    • 評価数値のスタンプ
    • そのスタンプも微妙にずらしたりとか
    • 先生の印鑑とか
    • 紙質とか(本物の紙をスキャンしたりとかのこだわり)
    「こだわりを入れるのが企画屋」
  • 企画屋と技術屋がうまくやるための重要な事
    • 技術屋へのリスペクト
    • 企画屋は常にユーザ視点。売り付けるために、とかそんなんじゃない、使う立場という意味でのユーザ視点
    • マネージメント。ただし、藤代氏の場合は「提案は全部通してもらう。ネゴするのは管理職。」「ケツは拭かない。それをやるのは管理職」との事w
  • 実は通信簿の印鑑として使用されている「gooのロゴ」に関しては、社内の規則違反。
    • 提案に含めると、通してもらえないのがわかってるから通していない。
    • サービスが売れた今となってはもはや無かった事となっている。
    • そもそも、ハンコがゆがんでいたくらいでgooのイメージダウンに繋がったりしないでしょ?
    • 歪んでた方が「はんこっぽく」なる。(デザインへのこだわりがあった)
    ユーザ視点から見て優先すべきであれば、規則も破る(藤代氏はユーザ視点を重用視している)、ユーザ視点優先だ。「社会の論理逸脱してはダメだが、組織の論意は逸脱してもおk。」
  • 質疑応答で。
    • 「技術屋と企画屋がうまくやるためには?」に対して。「技術屋をリスペクとする事を忘れない」「技術屋は、企画屋のいう事も聞いてあげる」
    • 「技術屋に足りない物は?」という質問に対して。「マーケティング。しかし、これは企画屋がやるからやってくれなくていい。そのかわり、企画屋の話も聞いてね!」「企画屋はアイデアがあっても実現できない。企画屋と技術屋がパートナーと組んでこそうまくいく」
おおざっぱな感想は、非常におもしろかった。立場としてはラボのプロダクトをショーケースとしてぶちあげて、そこで使用されている技術を売り込めるよぅにつなげて行く方なのかな?現場をよーく知っている人だなぁー、と感心した。そして「技術者の皆がみんな気難しいと思ってるのかな?」とも感じたりしたw
あ、当日カンファレンスから帰ってきて読んだエントリをひとつ紹介。全然別の人のお話だけれども。

[A-9]Webの未来を指し示す技術ベンチャー達の生語録〜収益は後からついてくるよね?〜

  • 株式会社プリファードインフラストラクチャー 代表取締役 最高経営責任者 西川 徹 氏
  • 株式会社ハートレイルズ 代表取締役 最高経営責任者 上楽 理央 氏
  • サイジニア株式会社 代表取締役 CEO 吉井 伸一郎 氏
  • 株式会社超店舗検索 取締役 柴山 嶺 氏
  • 株式会社ロケットスタート 代表取締役 古川 健介 氏
  • サービス紹介のプレゼンは、けんすう氏が抜群にわかり易かった。さすが。逆に、プレゼンがわかりにくかったなと感じたのはサイジニアの吉井氏。時間制限があるから早口で詰め込む、とかおかしくない?中身を削るべきだったと思った。おかげでわかりにくいプレゼンとなっていた、もったいない。
  • 5社の中では、プリファードインフラストラクチャー社(西川氏)とサイジニア社(吉井氏)が技術によるサービスを、残り3社がWebサービスとしてのサービスを提供。
    • 西川氏の話で「Webサービスはコアテクノロジのショーケース」という話があり、その前のgooラボの話を思い出した。技術の展示場としてのWebサービス。
    • 逆に、そうではなく、Webサービスのみで収益を上げて行く必要がある残りの3社はどうするのか?という点は3社とも苦戦されているようだった。やっぱ広告が一番の選択肢なんだろぅけど、それ以外は?…けんすう氏には何か秘策がたくさんあるのかもしれない。
  • ハートレイルズ社のメンバ構成がたったの4人と知って驚いた。全員技術者との事で、積極的な営業を内部からしていければどう変われるのか?というのが気になる。
  • レコメンデーションについて。西川氏、吉井氏共にレコメンデーションエンジンをコアに持っておられ、それを生かしたビジネスモデルを構築して行くとの事。
    • モデレータの方からの質問に対する吉井氏の回答で、「市場に応じて、レコメンデーションの種類が変わる。そこは必ずしも数学だけではない。」とあった。 これについては「なるほどー!そこがビジネスなのか!」と思った。エンジンだけなら色々なものがあるし、そういったコアの技術だけではない柔軟な調整による付加価値の提供があると、そこが強みになるのか、と。
    • 会場からの質問に対する西川氏の回答で、「商品のレコメンデーションだけではない、今はレコメンデーションが適用されていない色々な分野でのレコメンデーションを提供したい」というものがあった。これもまた感心したり。
  • 吉井氏@サイジニアによる「WEB自体は人間が作り出したものではあるが、観察可能な新たな自然である」というようなお話。数学的な理論の話とかもあったが、そういう意味はのぞいて素直に感動…したが、自分はその理論について全く理解が無いため「自然というより、単純に人間観察のレベルじゃね?」とかも思ったりしたw しかし、事実がそぅであっても、「新しく観察対象として現れたNatureだ」という言い回しには本当に感心する。こういう表現がメジャーな物だったりするのかはワカラナイ、知らない。
まず、主催者側の「収益は後からついてくるよね?」とマッチしていなかったというイメージ。パネラーの方ではなく、主催者側の企画と人選に問題があったんじゃないかなぁ。個人的には、Webサービスのマネタイズ等についての話を聞けるんだろな、という期待があったけど、そんな雰囲気に誘導できていなかったように思った。事前の調整というか打ち合わせはどうなっていたんだろぅか。ビジネスモデルなんて後から考える事、まずは人を集められるサイトを立ち上げられる集団に投資するんだ!みたいな、海外でよく見るモデルの話を日本にも持ち込んでくる話なのかー?と期待していたのだが。
しかし、WEBサービスを柱に商売するのは難しそぅだ、みんな苦戦しているよぅで…。

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